崩れかけのプロポーズ【完】

38つめ /僕の全ては君のために




今夜は、彼女が泣いていないか、ただそれだけが気掛かりだった。



『…。』


さて、どうしたものか。しばらく寝ずに目まぐるしく働き通した体はもう限界を告げていた。

気を抜けば閉じてしまいそうな瞳。目頭を押さえたまま、深く溜め息を吐いた。



『(疲れた…。)』



もう時刻は深夜。今日は早く帰れるからと映画の約束をしていたのに。家に帰る途中で呼び戻されてしまった。



メールで手短に「病院に戻る」という、もはや予測変換に入ってしまった言葉を送り、僕は患者のもとへと駆け付けた。



『はー……。』



医局の中で、僕は一人溜め息をついた。




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