崩れかけのプロポーズ【完】

5つめ /彼女が大事なんです




『はい。そうです、はい、いや…僕は…』

「…。」



つまらない。実につまらないですね、私。


ごろごろとソファーに寝転がりながら水樹くんの背中を見つめる。後ろ姿もなんか賢そうとか思う私は馬鹿。



「(まだかなー…。)」



水樹くんはただいま電話中。どうやら上司の人からの電話らしいけど、なんか無駄に長い。



つっまんないな。だってもう43分と18秒喋ってる。電子時計を見つめ、溜め息。


ツン、と。背中をつついてみる。ソファーに体重を預けた水樹くんが、ふわり、振り返った。



「(……あ、向いた。)」



けど。無表情で。



『(電話中。)』



そう口パクで言われた。それくらい知ってるし。馬鹿は馬鹿でも現状把握くらい出来ますよ。



ばふばふソファーのクッションに顔を埋める私をさもうざったそうに眉をよせ見た水樹くん。


今日は二人久々の休日なのに。水樹くん、また病院にとられちゃった。



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