人間界とは別世界である魔界の住人である鬼陰仁。仁は隠密屋月影の頭領となったが、隠密行動には別の理由があった。

その日は月が緋かった。


その月明かりの下でやっと見つけたんだ。


暗闇を照らすその人を。


その人は言うー来てはいけないーと。



それでも、もう二度と離れないと食らいつく。


そうでなければ、生きてきた意味がないからだ。


例えそれが、苦しみを呼ぶとわかっていてもー。






※この話はフィクションです。暴力的表現を含みますので苦手な方はご遠慮下さい。