君の猫になりたい

天の邪鬼なネコ /あさ






Side 嘉穂



カーテンの隙間から入ってきた強い朝日で目が覚めた


身動ぎしようとして、

体が完全に拘束されていることに気づく



私を抱き締めている男は、

まだ完全に熟睡している




寝ているこの男を起こすのは

なかなかに困難だ




「動けない

 
 起きて」




何度かその腕を叩いて

起きる気配がないため、諦めた




まぁいいや

今日は休日だ





そう思って簡単に諦めてしまうくらいには

この男に抱き締められている腕の感覚が好きだった



出会ってから、もう十年はとうに過ぎている


関係を持つようになってからも、

もうずいぶん経っていた






その間になんどこの男から離れようとしただろうか
 
   
「賢人」



起きてるときは、ほとんど呼ばない
 
彼の名前を呟いた



賢人は起きる気配がない





触れているのに、もっと触れたくなる私は

そうとう

イカれてる








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