桜龍Ⅰ【完】

第三章 /天才?






あの祝宴の日から事件もなく、特に変わりはないまま、気付けば11月も終わりになろうとしていた。





だけど今日。


学校に来たら信じられない光景を見た──…。








「……全員いる。」









そう、必ず誰かサボっているのに、今日は教室に全員いた。


しかもそれだけじゃない。



ちゃっかり参考書や教科書広げちゃってる。



「何いっとん?絋大丈夫か?」



「………え?」



当たり前のような面で言う喜壱。


いやいや、明らかに可笑しいでしょ。あんたたちみんな、不良じゃん。何が起こってんの……?


「絋、もしかして本っ当に分かってない……?」



「うん。」


明が珍しく真剣に言うもんだから、あたしはますます訳が分からなかった。



2人はあたしの答えを聞いて、哀れんだ顔をして、手を肩にポンと乗せられ、


「絋、ドンマイ。」


「次、頑張りーや。」


と、しみじみ言った。



「いや………だから何さ?」


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