桜龍Ⅰ【完】

第三章 /気まぐれ



グー…


お腹が鳴る音とともに目が覚めた。


「……眩しい。」


カーテンの隙間から漏れる日の光がちょうど顔に当たる。



……昨日また、夕飯何も食べないで寝ちゃったな。



おかげで週末に近くのスーパーで買い込む食材が、冷蔵庫からなかなか減らない。



ゆっくり起き上がり、顔を洗ってから冷蔵庫を開けた。


んーと…、


味噌汁。



味噌汁を飲みたい、という突然な衝動から豆腐とワカメの簡単なものを作った。


作ってから気が付いた。



昨日、ご飯炊かずに寝た…。



…………ま、いいか。


仕方なく賞味期限ギリギリの食パンと味噌汁という洋と和のコラボの朝ご飯を済ませ、制服に着替えた。


身支度をして、家を出ていつものコンビニに向かった。





「おはよ、絋ちゃん。」


「……おはよう、由樹。」



車に入ってすぐ由樹の挨拶と笑顔を向けられるのは、もう日課だった。


だけど、一瞬戸惑った。


一見してもいつもと変わらない。けど、確実に違う気がする。


昨日の倉庫にいた時は、ちゃんと笑えてたのに。


今日の由樹の笑顔は今まで以上に何だか違和感を感じた。


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