桜龍Ⅰ【完】

第三章 /笑う理由






暗い道を照らす街灯が並ぶ。




繁華街を抜けると、静かな真っ直ぐな道が続いた。





「……なんか、段々人通り少なくなってない?」



「そうかも。」





………そうかも、って…。



普通、平然な顔して言う?


やっぱ由樹って、つかめない。


まあ、別に人通り少ないからって怖い訳じゃないんだけど…。


何処に行くのかすっごく気になる。




「絋ちゃん、全然息上がってないね?」


「うん、一応体力には自信あるよ。」


さっきから歩いている道は真っ直ぐだけど、登り坂だった。


「絋ちゃんスポーツとかやってたの?」


「スポーツは……やってないかな。」


やってたのはケンカです、


なんて、もちろん言えません。



「へえ、すごいね。元々運動神経がいいんだ?」


「そうかな…?

由樹こそ、あたし頭脳派だとずっと思ってたのに、ケンカ出来るから最初吃驚したよ?」



───でもアレは

ケンカの戦い方というより、型がしっかりしてるから──…



「あはは、俺、小さい時は空手や柔道、剣道にキックボクシングも習ってたからね。」



「え゛?」



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