桜龍Ⅴ

第十章 /覚悟



あれから、また少しずつ距離が変わったような気がした。



要のことはもう避けるみたいなことはしなくなったけど、それでもまだ少し慣れなくて。


この男は、あたしのことが好きなんだ。


時折、そう思い出すようにふと浮かんで、唇を噛み締めた。



「絋、もう追いかけっこは終わり?」


「うん、一応ね」


俊にも見られていたらしい。要との追いかけっこ。まぁ、あれだけ目立っていたら当然だけど。


「振った?」


堂々と聞いてくるあたり、俊も容赦ないな。案外仲間の恋とか応援しちゃう感じなのか?


「あたしと要が付き合ったら、嬉しい?」

試しに聞いてみたら、すんっと俊の顔が真顔になった。


「全然」


「……即答だね」


「想像つかねーもん」


どうやら要の恋を応援している訳ではないらしい。


女嫌いの俊にさすがに好きな子はいるか、なんて無神経なことは聞けないな。


「あたしも想像つかないなぁ」


「なぁ絋。やっぱりやってみる?ギャルゲー」


「え」



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