桜龍Ⅴ

第十章 /卒業の日



くあっ、と喜壱が欠伸をする。ようやく最初の挨拶が終わって、本題の卒業証書授与式に移ったから。


いろんなことがあってバタバタしているうちに卒業式になってしまった。






「あーやっと3年が卒業すんねんなぁ」


「おい」


「あ、すまん絋」


はっとした顔で、喜壱が申し訳なさそうに謝る。


あたしは緩く首を振った。



「ううん、……寂しいね」


「そやなぁ」


「由樹さん、白虎も抜けるんだろ?」


「うん」


「由樹さんおらんくなったら、仁さんたち大変やなぁ。あの人なんだかんだ仲裁役やったやろ」


「大丈夫だよ、皆1個年取れば大人になるんだから」



「1年2年じゃ人間変わらへんって」




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