『青春の記憶/心の中の大切な日記』【完】

第1章 /初恋

1987年~

高校1年生
 

放課後、音楽ショップで行われる
バンドの握手会に参加するため
高校から駅へと思いっきり走った。

息を切らしながら階段を駆け上がり
ぎりぎり電車に乗り込むことができた。

みんなより一本早い電車に乗れたから
いつもと違いがらがらだ。

ホッと一息ついて周りを見ると
席に座らずドアの近くで立つ
髪の長い女子高生が近くにいた。


それが彼女とのはじめての出会いだった。


自分の学校から5駅離れた場所に
ある高校の制服だった。

悲しそうな顔で外の景色を眺める彼女。
よく見ると彼女は涙を流していた。

電車に乗り込んでから15分。
次は俺の降りる駅だ。

彼女の涙を気にしながら
席を立ちドア付近に近づいた。
ドアが開くと彼女も同じ駅で降りた。

彼女は涙を拭き俺の前を
足早に通り過ぎた。

階段を降りている時、彼女は
足を滑らせ下まで転倒した。

近くにいた駅員が彼女に駆け寄り
大きな声をあげた。
駅員と俺以外、周りには誰もいない。

スーツを着た男性が通ったが
関わりたくない様子で避け走って行った。

駅員は彼女のそばにいてくれるよう頼み
駅長室へ電話をかけに行った。


彼女の意識は全くない。

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