『青春の記憶/心の中の大切な日記』【完】

小さな舞台の上に置いてある椅子に
そっと座る二人。



『聴いてください。。涙晴の空!!』



老人さんたちの大きな声援と拍手に包まれた。


『よし・・ゆり。。やるぞッ。。』

『うん・・』



静まった食堂に
ギターの音が響きわたる。


ギターのバックに
フルートがゆっくりと響く。



そして俺が歌い始めた。



俺は演奏しながら老人さんたちの顔を見た。

みんな優しい顔をして演奏を聴いている。


そしておばさんの姿も探した。


さっきまで天井を見上げていたおばさんも
二人をじっと見ている。
そして小さな手拍子をしていた。


とても嬉しかった。


初めて病院で会った日。
おばさんと誕生会をした日。
楽しそうにゆりと料理を作っていた姿。
花見ではしゃいでいた日。
だるまさんがころんだをした日。
そして・・家が壊された時の悲しい目・・・

いろんなおばさんの表情が
頭の中を駆け巡った。

こらえていた涙が溢れ出てきた。

涙声で歌う俺。

横を見るとゆりの目からも
涙が溢れていた。

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