『青春の記憶/心の中の大切な日記』【完】
第6章 /思い出の場所
あれから2週間が経過した。
俺は順調に回復して
ゆりは毎日、病院に顔をみせてくれた。
明日から大部屋に移動予定だ。
最近、少し元気になり1日1日を
退屈に感じでいた。
今日もぼんやり外を眺めていると
ドアをノックする音が聞こえた。
ドアの方を見るとおばさんとゆりが
そっと顔を覗かせた。
『健ちゃん!おばさん連れてきたで~』
『あっ。おばさん!ありがとう!』
『健ちゃん、大変やったな。。』
『はい。。階段から転げ落ちて・・・
俺って本当にドジというか・・』
二人はおばさんに心配させたくないので
階段から転んだと伝えてあった。
『りんご食べてなっ!』
おばさんは微笑みスーパーの
袋に入ったりんごをくれた。
『ありがとう!!』
おばさんと会うのは久しぶりで
いろいろな話をした。
ゲートボールの話。
近所のおじいさんの話・・・・。
そして、ゆりの話もした。
ゆりは毎日、おばさんの家で夕食を作り
二人で食事をしている様子だ。
昨日も俺が少しずつ元気になっていると
嬉しそうに話していたらしい。
『健ちゃん、また治ったら
家に遊びに来てな。。
待っとるよ!
今日は近くまで来たから
墓参りに行ってくるわな!』
香織さんとご両親のお墓は病院から
歩いて10分位の場所にあるそうだ。
『おばさん、俺も行ってもええかなぁ…』
俺はナースコールを押した。
看護師に聞くと短時間の外出ならば・・
ということで外出を了解された。
総合ランキング24位獲得!(2018年11月)
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