『青春の記憶/心の中の大切な日記』【完】

第8章 /ふたりの距離

あれから数日が経過した。


二人は全く会っていない。


会いたい気持ちでいっぱいだが
会うことを我慢していた。

手帳を読んだゆりの気持ちが
とても気になっていた。

俺には何もできない。
そんな自分に苛立っていた。

俺はあの日から毎日
香織さんの墓参りに行った。

それは香織さんにゆりの本当の気持ちを
ただ伝えたい気持ちからだった。

ゆりは今、部屋の中で苦しんでいる。
せめてお墓の香織さんと両親に
ゆりの優しさをただ伝えたかった。

手をあわせている時は
ゆりとのいろんな思い出が
頭の中を駆け巡った。



おばさんと二人で食事を作っていた笑顔。。

フルートを演奏していた静かな顔。。

砂浜ではしゃいだ顔。。

泣いていた横顔…。。



今日も 墓参りをして帰ろうとした時
俺と同い年っぽい女性が
向こうから歩いてきた。

そして香織さんの墓の前で立ち止まり
手をあわせた。

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