『青春の記憶/心の中の大切な日記』【完】

次の朝、ギターケースを片手に
老人ホームにバスで向かった。 

ゆりとよく通った
海岸沿いに老人ホームがある。

バスの中は客が三人しか
乗っていないため静かだ。

窓の外はギラギラと太陽に照らされて
海が綺麗に輝いている。

隣にいないゆりを
思い出し、いろんな気持ちになった。

30分後にバスが到着した。

バス停から老人ホームまで歩いて
10分位の距離だ。

バスを降りると海岸から
静かな波音が心地よく聴こえてきた。

しばらく歩いているとフルートの音が
海岸から聴こえてきた。

耳を澄ましてよく聴くと
二人がいつも練習していた曲だった。



「ゆりだ!」
「きっと、ゆりだ!間違いないッ!!!」



俺はフルートの音色の流れる
砂浜の方へ無我夢中で駆け出した。

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