温かい手を持ってる  第一部

温かい手を持ってる ―第一章― /接近

ラブホテルを出てコータさんに何度もお礼を言い、私は急いで家に帰って、制服に着替えると学校へ向かった。

学校に着いた時にはもう10時半を回っていて、体育館の始業式から戻って来る生徒達と廊下で会った。

私はあたかもずっと居たかのように自分のクラスの子達に紛れ込んだ。

「あれ?マキ居たの?」
私に気付いた美佳に声を掛けられ、ドキッとしながら私は美佳に振り返った。

「うん。いた」
私は切れた息を整えながら、そう言い切る。

「なんで鞄持ってんのよ」
杏ちゃんが私の手に鞄があるのを見て、不思議そうな声を出す。

「ちょっと遅刻して、そのまま体育館に行ったから?」

「行ったから?って私に聞かれても困るわよ」
杏ちゃんはそう言って少し笑った。

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