温かい手を持ってる  第一部

温かい手を持ってる ―第二章― /ファーストキス

卒業式で3年生を殴った帰りの車の中で、血だらけの私の前の携帯が真っ二つに割られているのを見つけた。

「…中見た?」
私は割れた携帯を拾い上げ、運転するコータさんを見つめた。

「あぁ。悪かった」
コータさんは私の方を見ず、前を向いたまま素っ気無く答える。

「…メール見た?」

「新しいの6つくらいだけ」

「…そっか。ちょうどそれくらいがあんまり見られたくないメールだった」

新しいメールは、全て私への卑猥なイタズラメール。

「あぁ。ムカついて携帯割った」
コータさんはそう言いながら煙草に火をつけた。

「だから割れてるのか」
私の口から思わず笑みが零れる。

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