温かい手を持ってる  第一部

温かい手を持ってる ―第二章― /激情

傷が増える。
一つ。
また一つ。



「マキちゃん、体良くなった?」
私が教室に入ると、カナが私を見つけ元気に声を掛けて来た。

「カナおはよ!もう大丈夫だよ!」
私はそう言って自分の席へ着く。

「風邪だった?」
カナは後ろの席の私に体ごと振り向きながら心配そうな顔をした。

「風邪だったみたい!でも、もう大丈夫」
私はカナにVサインをして見せた。

「それなら良かった!メールしても返事ないから心配したよぉ。思わずコータさんに電話しちゃった」

「うんうん、聞いたよ!心配掛けてごめんね」

「一昨日、マキちゃん帰った後にさ――・・・」
カナが何かを言いかけた時、教室に入ってくる二村の姿が見えた。

「カナ、ちょっとごめん!二村に用事あるんだ」
私はそう言って席を立つと、二村の方へ駆け寄った。

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