温かい手を持ってる  第一部

温かい手を持ってる ―第二章― /本当の気持ち

コータさんの舌が私の口の中へと入って来た。

少し強引に入れられたコータさんの舌は、私の口の中で優しく動く。

柔らかく生暖かいコータさんの舌の感触に、私の思考が理性を取り戻す。

少しずつ深みを増して行くその口付けに、私は呼吸をする事さえも忘れていた。


「…ふ…はぁ…ッッ」
コータさんがゆっくりと私から顔を離した瞬間、私はむさぼる様に空気を吸い込んだ。

「落ち着いたか?」
乱れた呼吸を落ち着ける私の顔をコータさんは覗き込む。

「…ん」
私は俯いてそう返事した。

「向こうで話そう」

コータさんはそう言って立ち上がり、座り込んでいる私の腕を掴んで私を立ち上がらせ、近くにあった石階段に私を座らせた。

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