温かい手を持ってる  第一部

温かい手を持ってる ―第二章― /不感症

…私はまた悪夢を見るようになった。
また眠れぬ夜が始まる。


コータさんは今までと変わらず毎晩電話で私が眠るまで話をしてくれた。
眠って1時間もしない内に電話口でコータさんの名前を呼ぶ私に、コータさんはずっと付き合ってくれた。


私はもう一生コータさんに抱かれる事が出来ないかもしれないと思った。

私は一生この悪夢に悩まされるのかと思うと死にたくなる時もあった。



――…1週間が経った頃には私は疲れ切っていた。


「お前、大丈夫か?」
カレー屋さんでカレーを食べている時、コータさんが私の顔を覗き込んだ。

そのコータさんの瞳が私を心配しているのだと、分かる。

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