夕焼けノスタルジー【完】

2章 /カチンと鳴ったその音は




耳朶を打つ吐息の音も、律動される度に息が出来なくなった事も、酷い言葉を投げかけられたのも翌日になってもしっかり記憶の中に残ってた。



忘れられるわけが無い。途中からほとんど酔いなんて覚めてたようなもんやもん。



ベッドの中で優しくなんて当たり前にしてもらえなくて、そのままソファーで行為に及んだ。



背もたれに手を着くようにして背後から何度も何度も犯されたけれど、笑えるくらいその時だけ心の中が満たされた気がした。



やってあんなの代わりのセックスなんかじゃない。



優さんが愛理さんに向けてするものは、何だって優しいと知っている。やから酷くされればされる程、それは私への拒絶と同じく、意識が私に向いているんだと証明されているようにも思えた。



滑稽でねじ曲がった感情。



終わった後、優さんは私が泣いていないか冷めた目でジっと見ていた。こんな風にされて動揺したり、困惑したりしていないか、脅えていないか。


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