夕焼けノスタルジー【完】

1章 /それは未だに分からないまま




高級住宅街が立ち並ぶ一角にある、高級マンション。敷地内も広ければ建物自体も大きくてこの近辺でもひと際目立つ。



エントランスへと入る一歩手前の来客ボタンに部屋番号を打ち込んで呼び出すとピンポーンと軽快な音が鳴り響いた。



数分静かに待ってみる、いつも通り一回の呼び出しに応じる気配は無く、もう一度。



――――――ピンポーン。



来客カメラの前で仁王立ちしてみるも返事は無し。



仕方が無いのでスマホを取り出して、履歴の一番上にある【優さん】の名前を指先で強く押す。トップモデルで有名な彼、【有岡 優】は雑誌の中とリアルだと180度違ってくる。



自分の性格を包み隠さず公言しているけれど、ファンや読者は半分冗談やと思ってて。



『……はい……』



出るまで切らんと決めたまま、暫く鳴らしっぱなしにしていた着信相手から、ようやく酷く不機嫌そうな声の返答が返ってきたのは何と3分半後。



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