夕焼けノスタルジー【完】

2章 /俺だけただ、止まってるだけやないんやって




腹が立つ気持ちが半分、何してるんやろうと冷静な気持ちが半分。前者は勿論汐ちゃんに対してで、後者は自分達の壊れてしまった関係について。



人と深く関わるのはやっぱり俺には難しい。汐ちゃんと少しずつやけど、距離が縮まってきていたように思ってた。やけどそう思っていたのは俺だけやった。壊れる時は酷く呆気ない。



ここ最近ずっと心ここにあらずな様子やった汐ちゃんに声をかけたけれど、俺には関係無い事やからという遠回しな拒絶と共に、最後まで自分の悩みを打ち明けてはこなかった。



かと思えば俺の中に土足で踏み込んでこようとする。



知られたく無かった部分に気づかれて、拒絶しても無理矢理押し入ってきた末に馬鹿げた事を口にされた。自分を愛理ちゃんの代わりにしろなんて。



冗談で言った言葉や無い事くらい、あの至極真面目な表情を見ていたら分かった。分かったから尚更腹が立った。マネージャーってそういう事もする仕事なんやと。



激情に任せるように酷く抱いて、そのまま汐ちゃんとの関係を終わらせようと思ってた。どっちみち俺達は間違った関わり方をした。もう一度やり直すのはきっと難しい。



そう思っていたのに、汐ちゃんは行為後涼しい表情で「また明日」とそう言って俺の元を去って行った。仕事として顔を合わせる時も、何ら変わらない態度をとるーーーーーのに、それが終わるとまたおかしな事を口にしだす。



【今日はーーーーしないんですか】なんて。



汐ちゃんを酷く抱いたって欲求だけが満たされるだけで、終わった後虚しい気持ちを味わうだけ。それはお互い様やないん?汐ちゃんは何が望みなん。


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