夕焼けノスタルジー【完】




「……ああ……もう」


「さっきから何唸ってんだよ」



顔上に押し付けていたクッションがぽんぽんと叩かれる気配。そろりと瞳だけ覗かせるようにすると、飽きれたように見下ろしている隼人の姿があった。



ソファーの上に投げ出していた両膝をゆっくりと立てる。



「急に訪ねて来たかと思えば、ずっとうんうん唸ってるし。仕事で何かあったのか?」


「そういうんやないけど」


「優ちんがそんな凹んでんの珍しいよな」



―――――凹んでるわけでも無い、はずなんやけど。



クッションの隙間から入り込んできた良い匂いにつられるようにして、視線だけで隼人の手元を確認してみる。片手に持った皿の上には、作りたてらしきチャーハンがこんもりと山形に盛られてて。



上に乗った紅ショウガが食欲をそそる。


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