夕焼けノスタルジー【完】

3章 /いつかはきっと、終わってしまう




ずっと頭の中がぼんやりしていれば良かったのに。アルコールで頭に血が上った状態のままで居られたら、平気やったはずなのに。



「優さ……あかん……っ、ちょっと待って」


「さっきからそればっかりやろ」


「いややっ……、待って……」



もう何度目かの待ったをかけた私を、優さんは仕方無さそうに「3秒だけやで」と柔和な笑顔を向けながら頷いてくれる。やから、そういう表情一つ一つがあかんのに。



手の平が私の乱れた前髪を押し上げた。宥めるように額に触れた唇は、熱を灯したように温かい。やから、そういう行動がほんまにほんまにあかんのに。



いつもなら、貪るような行為のはず。時間なんてかけないで、押しこまれて腰を振られて、ほとんど何の会話もないままに別れてた。



やのにどうして私は、たった今、優さんの膝の上に乗っているのか。



どうして私は、こんなに優しくされているのか分からない。



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