夕焼けノスタルジー【完】

3章 /恨んでも良いよと思っていたはずやった




あの頃どうしたら良かったのか、どう寄り添ってやれば良かったのか何度も何度も繰り返し考える。



小さな異変一つでも見落としたりせんかったら、苦しいと思ったその瞬間に手を差し伸べられていたら。



それでもきっと汐が望む世界は遅かれ早かれ、きっとあの場所を飛び立つ先にしか無かったに違いない。



ただそれが本当に正しい場所とは限らないはず。どんなにその場所が自分に合っていると思っても、求められている場所はまた違うはず。



汐が正しく生きていける場所はあの頃と変わらずあの場所だけで、そこに戻って来てくれるなら、俺は人生全てを汐に捧げたって良いと思ってる。



ベッドのサイドボードに置いてある、小さなメモ用紙に視線を留めた。そこには汐の住んでいるアパートの住所と部屋番号が記載されている。



あれから汐が帰って来てくれるのを、ずっとただひたすら待っていた。やけど、それでは駄目なんやと理解して自分で行動する事に決めてここに来た。


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