夕焼けノスタルジー【完】

3章 /その言葉は私にとって、とても力強い言葉




部屋から一人で出してもらえるようになったのは、鳴海の家に帰ってから3日後やった。最初は使用人を扉の前で見張らせたり、扉に鍵をかけられたりもしたけれど。



暴れもしない私を見て、父さんは「これ以上大事になったらどうなるか、もう大人なんやから分かるやろ?」と脅すとも諭すとも言える口調でそう言って、扉に鍵をかける事をやめてくれた。



母さんは、腫れ物にでも扱うような眼差しでジっと見つめると、「もう心配させないで」と悲しそうにそう言った。



うん、分かってるーーーーごめんなさい。



自分の口から出たその声も言葉も、何だか他人のもののような気がしてならなかった。



家の敷地内を歩く時は、どこかから見張られているような視線を未だに感じる。私がまたおかしな事をしでかしたりしないように。



「無理も無い……か」



我儘で家を出たっきり、一度も帰って来なかったんやから。また逃げ出されたらと警戒するのは仕方の無い事。



綺麗に手入れされている庭先で、しゃがみ込みながらも優さんの事を考えた。



0
  • しおりをはさむ
  • 384
  • 4111
/ 380ページ
このページを編集する