夕焼けノスタルジー【完】

3章 /離れていても元気で




別れ際、「ほんまに大丈夫なん?」と問いかけた優さんに「大丈夫」と頷き返した。



私がこの場から逃げられるように、優さんは何でもやってしまいそうやった。それはとても嬉しくもあったけれど、そこまでは甘えられない。



何より迎えに来てくれたという事実だけで嬉しかったから。



戻っても良いのだと言われたら、一歩も動けそうに無かった足は簡単に前に進めた。



「あの頃、全てを言うのが怖くて逃げるように家を出たのがあかんかったんやと思います。やから今度は、戻らないって事を……私が生きたい場所は別にあるって事をちゃんと伝えたいんです」


「……そっか。俺も一緒に行って、聞き入れてくれないなら抱き上げて連れ去るくらいの事したいんやけど、我慢する」


「それは我慢してください。本気で言うてます?」


「本気やけど」


「あかん」


「あかんか」



ていうか、至極真面目な表情でそんな事言わんでください。恥ずかしい。



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