怪異と私の恋物語【完】

第四章 選択肢と決断 /開戦

破壊音が耳に鳴り響く。
木はまるで割り箸を割るかのように簡単になぎ倒されていく。
怪異対怪異の一騎打ち。
あぁ、なんでこんな事になってしまったのだろう?
いや、答えは分かってる。


全て、私の所為だと。


私と魁が契約を交わしたこの場所。
魁が人を捨てたこの場所。
何故この場所にいきなり転移していたのかまるで分からなかった。
だけど、その技を成し遂げたモノが私の隣に居る。


「この調子じゃと山一つ無くなるのぉ~。
…お、今大天狗の奴の腕が引きちぎられたぞっ!!」


活き活きと生臭い場面をキラキラした瞳で見る少年。
この世のモノとは思えない音が鳴り響く。
雷が落ち、濁流が流れ、炎が渦巻き、風が切り裂く。


まるでこの世の終わりのよう。


朱利は、魁に加担しようとしていたが、弥鶴の臣下の流蛇さんに足止めを喰らっている。
半獣化なんてモノじゃなく、本来の姿…獣の九尾としての姿で今、白い大蛇と激戦中だ。
それも生易しいものじゃない。
妖力が尽きない限り永遠に生き続ける怪異だけあって、それは痛々しく血生臭い光景。
今すぐ逃げ出したいのが本音だ。
だけど、それが出来ないのは…。


「のぉ、人の娘よ…愉快だとは思わぬか?
其方の為にこんなにも楽しい宴が繰り広げられておるのだぞ?」


この隣に居る、全ての元凶。
この最低最悪の舞台をわざわざ整えた悪趣味な少年。
いや、少年の姿をした



怪異。


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