怪異と私の恋物語【完】

第一章 主と僕 /変貌

「ごちそうさまでしたー。
菜舂さんのお母さんってお料理上手ですよねー!!
俺、またオムライス食べてみたい♪」

「うふふ、朱利君の為ならおばさん張り切っちゃうわ~!」

「本当に美味でございました。
林さん、ありがとうございます」

「いいのよ~。
あぁ、私もあと20歳若かったら山上先生とお付き合いしたかったわ」

「光栄です。
でも、旦那様が悲しみますよ?」


‥‥何故違和感を持たない、母よッ!!

心の中で盛大に叫ぶ私。
現在、母・朱利・魁・私の4人で夕食を済ませた所である。

知っているかのような口ぶり。
私だけ知らなかったのか!?
いや、そんな筈は無い。

そもそも我が家には、4人分の食器しか置いて無かった筈。
なのに、何故朱利や魁専用と言わんばかりの食器やら、歯ブラシやらが置かれているの!?

今朝まで絶対見て無かった。
しかも、テーブルは、今朝より大きくなってるし、椅子の数も2席増えている。
そして、何より…


部屋が2つ増えているんですね。


何このホラー現象。
そんなに広くなかったぞ、我が家は。
そうだ、そもそも違和感があったのは、家に入ってからでは無い。


入る前からバリバリあった。


時は遡ること1時間。
帰路につき我が家がある場所にあるべき家が無かった。
その代わりあったのが‥2倍近く広大化した家。
外観も新築よろしくと言った感じで、お庭付きといった贅沢。


都会に庭ってどうよ?


確かに住宅地ではあるけれど、この住宅街は、人気だ。
だから、無論そんな大きな家を建てられるわけも無いしそんな財力を一般家庭である
私の家では自殺行為だ。

住所を見るが、もちろんそれは、我が家の住所ご丁寧に達筆な字で書かれた【林】という私の苗字が刻まれている。


間違いなく私の家だ。


だけど、外観が朝とは違いすぎる。
デカイ…本当にデカイ。
心なしか、近所の家が1つ消えてる。


「菜舂様、お入りにならないのですか?
もう秋ですから夜更けになればお体に障りますよ」

「そうだよ、菜舂さーん。
俺、疲れちゃったから寝たい…」


…やはり、私の家らしい。
10年住み続けて来た家。
その外観を見間違えるわけがない。
それほどにまで変貌を遂げている。

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