怪異と私の恋物語【完】

第二章 波乱万丈 /私怨

「…菜舂さん、これ嫌がらせ?
俺なんかしたっけ?」


下駄箱の前で茫然と立ちすくむ私と朱利。
床には、お決まりの手紙という名のラブレターの山。

魁が就任、そして朱利が転校してから早2週間。
私もいい加減、色々慣れた。
朝から魁が部屋で待機してるとか、魁の徹底とした僕ぶりとかね…。

すごいね、朱利。
転校2週間にしてここまでモテるなんて、君の容姿に感服するよ。


「これ何、呪符?
俺を封印しようとか考えてる馬鹿な人間がこんなに居るの?」

「いや、それは無い。
っていうか、これ何か本気で知らないの?」

「俺、人間に興味無いし」


ですよねー。
朱利は、溜息を盛大につくとこのラブレターの山をゴミと称して処分するのが面倒だとかほざいています。
うん、イケメンってホント罪だよね。


「あのね、朱利。
それ、ゴミじゃないからね?
立派な手紙という名の恋文だからね?」

「恋文?
こんな私怨の籠った塊が?
冗談も大概にしてよ…」


あ、やっぱり邪のオーラ放ってるんだ。
私にはまったく見えないけれど、どうやら怪異である彼には何かしら見えるらしい。


「これ、燃やすか」


そういうと、手から火を出して一瞬にして手紙を灰と化してしまった。
幸い誰も見ていないからいいものを、乙女の敵だよ、朱利。
きっと必死に書いただろうに…。


「読まないで捨てるなんて、可哀想だよ、朱利…」

「人間に興味無いし、小娘とじゃれ合う気ないから。
あ、菜舂さんは別だから安心して」


不安要素しかないのは何故だろう?
私は校内で女子の友人が居ない。
というか、どのグループにも属さない。

一匹狼とでもいうのだろうか?
別に一人じゃないんだよ?
一応友達と呼べるというか、ほどほど付き合っては居るんだけど…


連れションとかマジ勘弁です。


何故いちいち一緒に行動したり、リーダー核の人間に愛想振りまいたり、ご機嫌伺いしたり、悪口を言ったりしなきゃならないんだろう?

私は昔からそういうのは苦手だ。
というか、大っきらい。
そういう人間しか何故この学校には居ないのだろうか…。
自分の不運さを本当に呪うよ。

0
  • しおりをはさむ
  • 2994
  • 107
/ 286ページ
このページを編集する