私の周りは金持ちばかり!?

第三章 花言葉の真実 /待雪草

事の始まりは、3日ほど前にさかのぼる。
私が雪菜と共に1週間を過ごすことが決まった日でもありました。
カレンダー通りに学校が始まり、隣同士に座る。


「おはようございます、風夜さん。
今日も相変わらず、素敵ですわね」


座る際、いつも言う事を欠かさない雪菜。
いつも通りなのに、違和感を覚える。
手を伸ばして雪菜に触れようとすると、


「あ、雪菜…」

「ふふふ、楽しみですわね、風夜さん。
大丈夫ですわ、私に負けましたら大切に我が屋敷にお招き致しますわ。
蝶よ花よと甘やかして、可愛い服を着せてあげます」

「え?」


聞いた言葉に耳を疑う。
それではまるで…


「部屋に閉じ込めて、出られないように切ってさしあげますわ。
あぁ、自分ひとりじゃ何もできないようにいたしましょうか?
うふふふふふふ…」


物騒な言葉に開いた口が塞がらない。
冗談だと付け足す様子はまるでありません。
何より笑っているのに、瞳が笑っていません。
文字通り、生きながら殺す。
彼女が昨日、「壊す」という言葉を実現しようとしているのだと感じざる得ませんでした。


「雪菜、もしかして私が勝つ条件を知っているんですか?」

「私だけでなく、他の殿方もご存じだと思いますわよ。
私たちを甘く見ない方がよろしいですわ、風夜さん。
これくらい分からなければ、あのような戯言を宣言するとでも?」


冷ややかな瞳で私を見下ろす。
女性にしては高い身長を持つ彼女だからこそ出来る。
そして、美しい造形をしているからこそ様になる。
それは周りが見惚れてしまうほどの魅惑の所業。
洗練された動き、旧華族の末裔である彼女だからこそ。
一般庶民である私とはまるで違うもの。


「それでも、私は諦めません」

「それはご家族の為ですか?
保身の為ですか?
風夜さん、貴女はあまりにも脆い存在ですわ。
私が息を吹けば簡単に折れるほど」

「やってみなきゃ分からないじゃないですか」

「分かりますわ。
以前、貴女のような人間を見たことがありますから」


一瞬、表情が陰る。
しかし、瞬きをすれば見間違えかと思うほど。
意味深な言葉、ですが追及するには小さすぎる穴。
とても、進む勇気はありませんでした。

0
  • しおりをはさむ
  • 215
  • 107
/ 95ページ
このページを編集する