Street black cat Ⅲ【完】

第10章:野良黒猫、飛ぶ /罪人と老人






「・・・恭さん?引い、たっすか?」

「・・・え?」





不安げに私を覗き込む雅樹の顔が目の前にどアップに映った。




なに不安な顔してるんだ、雅樹。ほんとに優しい。きっと高杉十悟や杉田を軽蔑してないか不安なんだろう。



離れてほしいと思っても、尊敬する人達を悪く思わないでほしいのかもしれない。




「・・・引いてない。マユさん、趣味悪いなって思ってただけ」

「ふはっ、そんなの言えるの恭さんぐらいっすよ」




くしゃりと雅樹は笑った。




よかった、気付いてない。




ほっと息をつく。




「話、続けるっすか?」




気遣いであろうそれに何の躊躇もなく頷いた。



まだまだ聞かなきゃならないことは沢山ある。ここで止められてたまるか。




怪我が自己主張するそれを根性でごまかし、雅樹に話を促した。




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