Street black cat Ⅲ【完】

第11章:野良黒猫、寝る /団欒姉妹




暦はもう、11月らしい。




11月になっていきなり冷え込み、冬が近付いたのを感じた。




葉は落ち、人は着込み、冬への準備を進めている。突然の寒さに身体を震えさせる人々が、街中を交うように歩く。





そんな中、私は自宅に戻っていた。あの面倒で窮屈で美味しくない入院食から解放されたのだ。



一応まだギプスは取れないけど、退院を許可された。それだけで非常に嬉しい。




「きょーおーっ!」




対面式のキッチンから悠が白くフリフリのエプロンを装着しながら、走って来る。



ちなみに私はソファーで横になり、若干寝ていた。で、あの甲高い声で起こされた。




・・・眠い。




「恭っ。ご飯にしますの?お風呂にしますの?それとも、わ・た・く・し?」

「睡眠を」

「やだ積極的・・・!焦らないでっ!ご飯はカレーライスですのよ?お楽しみはこれからですわ(ハート)」

「何をおっしゃりたいのか全く理解不能です」




そっとしておいてほしいのだが、そうはさせてくれないみたいだ。




初めて“食べれるもの”を作れて、嬉しいんだろう。出来たのですわ!と言外に満面の笑みを浮かべて知らせてくる。




・・・。





行くしかないんだろうな、これ。




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