Street black cat Ⅲ【完】

第11章:野良黒猫、寝る /violet color







私達は物語が全て終わったふりをするのが上手い。




私も高杉十悟も、杉田も聖二も。




どんなに胡散臭さくても、やっぱり深く踏み入ることに臆病になり。



臆病者と分かっているから、ただ過ぎ去った過去のように過ごす。




明かさなくてもいいものと判断して、またいつもの日常に戻る。



囮のカノジョが来たことなど忘れてしまったかのように。



もしくはそんな出来事など無かったかのように。





「えー、こほん。ようそこお集まり頂いた。皆の集――これから、第5回、全力サバイバルUNO大会の開催を宣言するー」


『オオオオオオオオオ!!』





でも大会を開催しなくてもいいと思う。




テーブルの上に裸足で乗り、マイクがわりにエアコンのリモコンを口に当てて、そう宣言しながらのけ反る高杉十悟。



それに拳を振り上げて、雄叫びをテーブルを囲みながら上げる不良共々。



目がギラギラとして、熱気が凄い。絶対近付かないからな、あんなのに。




集団からペイッと放り投げられた聖二がウジウジしながらこっちにやって来たから、私はソファーで色とりどりのカードを弄る杉田の元へ行く。




だってウザいじゃん。




「めっさ避けられた!思いっ切り避けられた!」

「今まで避けられてないのが幸運だったんだ、聖二君」

「そうだぞ聖二君。あんたは自分が結構ウザいことをそろそろ自覚したほうがいい」

「ああ雑な俺への扱い方!!」




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