マイナスの矛盾定義Ⅰ

プロローグ






深夜、彼らは静まり返った夜の街の片隅に立っていた。


僅かな光によって映し出されるぼんやりとした3つの影。


その周りには、どす黒い赤、赤、赤。



1人目の男は、気味の悪い笑みを浮かべながらヴァイオレットの瞳を細める。


「もーちょい綺麗に殺せないのー?」



2人目の男は頬に付く返り血を拭うと、気怠そうに欠伸をする。


「仕方ねぇだろ。暴れたんだから」



3人目の男は酷く冷たい眼で、もう動かない――いや、動けないソレを眺めて呟く。


「……まだ、見つかりませんね」



その言葉を耳にすると、2人の男の片方は退屈そうに伸びをし、もう片方は溜め息を吐いた。



「ほんっと無我夢中だよねー」


「いい加減諦めねぇのか?」



そんな2人の言葉など全く聞こえていないかのように、男は己を照らす月を一瞥して不快そうに目を半眼にし、再びソレに目を落とす。




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