マイナスの矛盾定義Ⅰ

progress /再会と利益





ホテルに着いた私は、待っていた従業員に部屋まで案内された。




「おっそぉい。10秒以内には来てくんない?」



カードキーでドアを開けた途端、室内に気怠そうな声音が響く。


前にも聞いたことのある台詞だ。



…この男は私のことをチーターか何かだとでも思っているのかしら。



シャロンは部屋の奥のイージーチェアに足を組んで座っていた。


身に纏っているシンプルなカーディガンとシャツ、ホワイトパンツは恐ろしいほど似合っていて、さすがオシャレ好きだと感心させられる。




「どう~?調子は」


「……その前に着替えていい?」


「着替えなら向こうの部屋。つーか珍しくフェミニンなの着てんねぇ」


「私が選んだわけじゃないわ」


「ふぅん。…選んで貰ったんだ?」



シャロンは視線を少し下降させ、私のスカートを見つめてきた。




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